テクノス通信VOL.1では、転倒・転落事故の背景や離床センサーの役割をご紹介しましたが、現場ではどのような課題があり、どのような対策を求められているのでしょうか?
転倒・転落は、患者の自発的な行動によって起こるケースが圧倒的に多いとされていますが、看護の現場では、その患者の行動を予測し、未然に防ぐ対策を求められます。しかし、「予測不能な行動をする」「患者状況の変化が早く対応がおいつかない」等、対策を講じたいけれど、なかなか効果的な対応ができないジレンマが現場にはあるようです。
予測・対応が難しいのが現状ですが、事故に至った場合、どのような責任が問われるのでしょうか。
図1の判例をみると、スリッパ履きで点滴台を支えにトイレ行動を容認していた点、この患者にナースコール指導は有効ではなかったかもしれない点等、「その患者が転倒・転落する危険を予見できていたか」「転倒転落回避策が適正に行われていたか」が責任の有無を左右しており、高齢患者が急増している中、対策の必要性と重要性は高まる一方です。
当社が行ったアンケートによると、「転倒・転落対策でのアセスメントの重要度は?」という質問に対して、47%が「最も重要」52%が「対策基準の1つ」との答えから、アセスメントシートの利用は、患者要因の総合点から転倒・転落の危険性を評価し、患者危険行動を予測する重要な対策の1つと捉えている病院が多いようです。転倒・転落を未然に防ぐために、患者の事故への危険性を正確に「予測」し、先回りして対策を講じる事が容易ではない事は前述しましたが、その患者にはどのような行動が危険かをあらゆる角度から予測し、その対策を講じることは可能です。最近では、その危険を予知する能力を向上させ、具体的な対策案と目標設定により、実践までつなげようとする『危険予知トレーニング(KYT)』を対策として取り組む病院が増えてきています。
また、物的対策には離床センサーを導入するケースが多いですが(図2参照)、VOL.1でも触れた通り、道具は揃えるのが対策ではなく、「必要な患者」に「適したセンサー」を「正しく使用した時」に効果を発揮します。次頁では、離床センサーを効果的に活用し、転倒・転落事故件数が減少した病院様の例をご紹介します。
【背景】高齢入院患者の増加とともに、転倒・転落事故が増加する中、対策として平成18年に離床センサーを導入
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センサー導入後すぐには転倒・転落事故件数に変化はなかった。
センサー導入後半年〜1年かけて、病院全体が「離床センサー」に慣れ、
看護師が対象者に合わせた機種選定と正しい設置ができるようになった。
アセスメント能力向上に伴い、その患者にとって離床センサーがすぐに必要かそうではないかの判断能力が上がった。
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ここでは、実際に現場で起きた事例をもとに、センサー等を活用した対策をご紹介します。
【患者さんの状態】
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性別:男性
転倒経験:有
理解力:有(低下)
立上り:見守り必要
立位保持:見守り必要
トイレの種類:ポータブル
介助の有無:有(見守り介助)
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●状況 コールがあり訪室すると、ベッドサイドでうずくまっていた。
●原因 トイレに行く時のために、履物を用意しておこうとしたが、ベッドの奥に入り込んでしまっていたため取れず、そのまま転落。 |
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1.認知、理解力が低下しており、正確なナースコール使用ができないと判断。立ち上がりに見守りが必要なため状態を起こすと知らせる離床センサー「ベッドコール」を設置。
2.立ち上がりや、立位保持支援のための手すりを設置。(介助バー)
3.履物をベッド上からでも見えるように揃えて置く。 |
次回は、意外と知られていないセンサー活用方法をご紹介!お楽しみに!
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