※本記事は2026年9月時点の情報にもとづいています。最新の制度内容は厚生労働省の資料をあわせてご確認ください。
生産性向上推進体制加算は、見守り機器などのテクノロジーを導入し、委員会を運営し、効果を示すデータを年1回提出する——この3点セットで算定できる加算です。区分は2段階で、加算(Ⅱ)が利用者1人あたり月10単位、加算(Ⅰ)が月100単位。令和6年度の介護報酬改定で新設されました。
要件そのものは、読めば分かります。実際、解説記事はすでにたくさんあります。それでも現場からの相談で最後まで残るのは、決まってこの質問です。
「効果測定のデータって、実際どうやって作るんですか?」
本記事は、制度の全体像を短く正確に押さえたうえで、他の解説があまり踏み込んでいない「導入前の状況調査」と「効果測定データの作り方」を詳しく解説します。約30年にわたり見守りシステムを開発してきたメーカーとして、導入施設の実測値も添えて説明します。
生産性向上推進体制加算とは?【令和8年度の今おさえるべきこと】

生産性向上推進体制加算とは、介護ロボットやICTを活用して職員の負担軽減と介護サービスの質の確保を両立する体制を評価する加算です。令和6年度介護報酬改定で新設されました。
制度の概要と新設の背景
背景はシンプルで、介護の担い手が足りなくなるからです。内閣府の令和7年版高齢社会白書によれば、65歳以上人口の割合は2040年に34.8%へ達する見込みで、高齢者1人を支える現役世代(15〜64歳)は2000年の4.8人から2040年には1.6人まで減ります。人員を増やすだけでは解決が難しくなる以上、テクノロジーで「今の人数で回る現場」をつくる必要があります。国はその移行を、報酬で後押しすることにしました。それがこの加算です。
対象となる介護サービス
対象は施設系・居住系のサービスです。
| 対象となる主なサービス |
|---|
| 介護老人福祉施設(特養) |
| 介護老人保健施設(老健) |
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
| 短期入所生活介護(ショートステイ) |
| 小規模多機能型居宅介護 |
| 特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム等) |
訪問系サービスは対象外です。自施設のサービス種別が対象かどうかは、指定権者への届出前に、厚生労働省の介護保険最新情報Vol.1218「生産性向上推進体制加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」などの最新資料で必ず確認してください。
2027年度に向けた動向——「まだ先の話」ではなくなってきた
この加算を今検討すべき理由は、単位数だけではありません。処遇改善加算の上位区分との連動や、次期改定での位置づけの強化が業界で議論されており、「生産性向上の体制があること」が施設運営の前提条件になっていく流れがあります。委員会の設置には経過措置が設けられていますが、経過措置には期限があります。次の改定を待ってから慌てるより、加算を算定できる今のうちに体制を作るほうが合理的です。
加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の単位数・算定要件【比較表】
加算(Ⅱ)は「始めた施設」を、加算(Ⅰ)は「成果を出した施設」を評価します。要件の違いは次の表のとおりです(要件の詳細と提出様式は介護保険最新情報Vol.1218に定められています)。
| 項目 | 加算(Ⅱ)月10単位 | 加算(Ⅰ)月100単位 |
|---|---|---|
| テクノロジー導入 | 見守り機器等を1つ以上 | 3種類すべて(見守り機器は全居室、インカム等は同一時間帯の全介護職員が使用できる体制) |
| 委員会 | 設置・開催(3か月に1回以上) | 同左 |
| 業務改善 | 生産性向上ガイドラインに基づき継続 | 同左 |
| データ提出 | 年1回・3種類 | 年1回・5種類 |
| 成果の確認 | 不要 | (Ⅱ)のデータで成果が確認されていること |
| 役割分担 | 不要 | 職員間の適切な役割分担(介護助手の活用等) |
まずは(Ⅱ)から:月10単位の要件
加算(Ⅱ)の要件は3つです。①利用者の安全・ケアの質・職員の負担軽減を検討する委員会を開催し、生産性向上ガイドラインに基づく改善活動を継続すること。②見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。③少なくとも1年に1回、業務改善の効果を示すデータをオンラインで提出すること。
月10単位は小さく見えますが、この加算の実質的な価値は「(Ⅰ)への助走」と「体制づくりが報酬で評価される」ことにあります。
加算(Ⅰ)月100単位の要件——ハードルは「3種類すべての導入」と「成果」
加算(Ⅰ)では、後述する3種類のテクノロジーをすべて導入したうえで、見守り機器は全居室への設置、インカム等は同一時間帯に勤務する全介護職員が使える体制が求められます。さらに、(Ⅱ)で提出したデータによって業務改善の成果が確認されていること、介護助手の活用など職員間の役割分担の取り組みを行っていることが要件に加わります。
利用者50人の施設なら、(Ⅰ)は月5,000単位。年間では約60万円規模の増収です(1単位10円・地域区分を考慮しない概算)。機器投資の回収計画に組み込める金額といえます。
(Ⅱ)から(Ⅰ)への移行と、最初から(Ⅰ)を取れるケース
原則は(Ⅱ)で取り組みを始め、成果を確認してから(Ⅰ)へ移行する二段階です。ただし、加算新設前から生産性向上に取り組んでいて成果データを示せる施設は、最初から(Ⅰ)を算定できます。すでに見守り機器を全居室に設置し、インカムや記録ソフトも運用している施設は、いきなり(Ⅰ)を検討してください。
必要なテクノロジー3種類と選定の考え方

算定要件になるテクノロジーは、次の3種類と定められています。
- 見守り機器(利用者の離床状態等を感知し、職員に通知できる機器)
- インカムやビジネスチャット等、職員間の連絡調整を迅速化するICT機器
- 介護記録ソフトウェア等、記録の入力から保存・活用までを一体的に支援するICT機器
加算(Ⅱ)はこのうち1つ以上、加算(Ⅰ)は3種類すべての導入が必要です。
機器選定で失敗しないための3つの視点
選定の順番を間違えると、加算は取れても現場が使わない機器が残ります。視点は3つです。
第一に、現場の課題から逆算すること。夜間の訪室負担が重いなら見守り機器、申し送りに時間がかかっているならインカム、残業の主因が記録なら記録ソフト——「どの要件を埋めるか」ではなく「どの業務時間を削るか」で選びます。効果測定データの数値が動くのは、課題に合った機器を導入したときだけです。
第二に、最初から(Ⅰ)を見据えること。(Ⅱ)を1機種で取ってから残りを場当たり的に足していくと、(Ⅰ)で求められる全居室設置・全職員使用の要件を満たす段階になって、追加の投資や機器の入れ替えが発生しがちです。最終形を先に描いたうえで、段階的に広げられる構成を選んでください。
第三に、導入後に「効果を示すデータが残る」機器かどうかを見ること。この加算は、導入した時点で終わりではありません。毎年、業務改善の効果を示すデータを提出し続けることになります。日々の運用のなかで記録が自然に蓄積される機器を選んでおけば、提出の時期に慌てて集計する作業がなくなります。この点は後半で詳しく解説します。
3種類のうち、まず押さえるべきは見守り機器
3種類を同じメーカーで揃える必要はありません。要件は「3種類を導入していること」であり、メーカーを統一することは求められていないためです。
そのうえで、最初に押さえるべきは見守り機器です。理由は2つあります。加算(Ⅰ)で全居室設置という最も重い要件が課されるのが見守り機器であること。そして、効果測定で問われる「夜間の訪室負担」に直接効くのが見守り機器であることです。
当社の見守りシステム「eライブ」は、離床センサー(デジタルベッドセンサー)とカメラによる見守りを軸に、簡易ナースコール「かなスイッチ」を組み合わせた構成に対応しています。センサーのみの構成から始めて、あとからカメラを追加することもできるため、(Ⅱ)から(Ⅰ)へ段階的に広げていく進め方に向いています。
なお、映像を扱う機器はプライバシーへの配慮が導入判断の論点になります。eライブは外部ネットワークに依存しないオンプレ型で、映像を施設の外に出さない設計です。eライブの構成と機能の詳細は、eライブの特長ページでご覧いただけます。
「導入前の状況調査」を忘れると(Ⅰ)が遠のく

見落とされがちですが、効果測定は機器を導入した後ではなく、導入する前から始まっています。加算(Ⅰ)の成果確認は「導入前後の比較」だからです。導入前の数値を取り忘れると、比較のしようがありません。
事前調査で押さえる項目
介護職員の1か月あたりの総業務時間、超過勤務時間、年次有給休暇の取得状況を記録しておきます。導入を決めた段階で比較対象とする月を定め、その月の勤務データを保存しておく——これだけで(Ⅰ)への道筋が大きく変わります。機器の納品を待つ必要はありません。
導入前の比較が難しい場合の扱い
新規開設で最初から機器がすべて導入されている施設など、「導入前」が存在しないケースもあります。この場合の扱いは令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.5)問12で示されており、利用者5名程度へのヒアリング調査や、介護職員の勤務状況の調査によって代替します。利用者数の変化が一定程度落ち着いた時点を事前調査の対象月とする考え方も、同Q&Aに例示されています。「前のデータがないから(Ⅰ)は無理」とあきらめる必要はありません。該当しそうな施設は、指定権者に確認のうえQ&Aの手順で進めてください。
効果測定データの作り方【この記事の本丸】

提出データの一覧は多くの解説記事に載っています。問題は、その先です。「総業務時間の短縮を示すデータ」を、誰が、何から、どう集計するのか。ここから先は、見守り機器の現場データを長年扱ってきたメーカーとして書きます。
提出データの全体像
| 提出データ | 加算(Ⅱ) | 加算(Ⅰ) |
|---|---|---|
| ①利用者の満足度等の評価(WHO-5調査・生活/認知機能尺度) | 利用者5名程度 | 利用者5名程度 |
| ②総業務時間・超過勤務時間の調査(対象年度10月の1か月分) | 機器を導入したフロア等の介護職員 | 全介護職員 |
| ③年次有給休暇の取得状況(10月起点で直近1年) | 機器を導入したフロア等の介護職員 | 全介護職員 |
| ④心理的負担等の評価(SRS-18調査・モチベーション調査) | — | 全介護職員 |
| ⑤タイムスタディ調査(5日間の業務時間記録) | — | 複数人の介護職員 |
提出は事業年度ごとに1回、オンラインで行います。各データの調査様式は介護保険最新情報Vol.1218に様式例として添付されています。
加算(Ⅰ)算定開始の「成果3条件」
加算(Ⅰ)に進むには、(Ⅱ)のデータで次の3点が確認される必要があります。①WHO-5調査等で利用者の状態に悪化がみられないこと。②介護職員の総業務時間・超過勤務時間が短縮していること。③年次有給休暇の取得日数が維持または増加していること。
つまり「利用者の質を落とさずに、職員の時間を生み出せたか」。この加算の設計思想がそのまま条件になっています。
誰が・何から・どう集計するか
実務で迷うのはここです。データごとに出どころも担当者も違うため、あらかじめ整理しておくと年1回の提出時期に慌てずに済みます。
| 提出データ | 何から集計するか | 主な担当 | 実務のポイント |
|---|---|---|---|
| ①WHO-5・生活/認知機能尺度 | 様式に沿った利用者への聞き取り調査 | 生活相談員・ケアマネジャー等 | 導入前後で同じ利用者に実施すると比較しやすい |
| ②総業務時間・超過勤務時間 | 勤怠管理システム・出勤簿 | 事務・労務担当 | 対象年度10月の1か月分。導入前も同じ月次条件で揃える |
| ③年次有給休暇の取得状況 | 勤怠管理システム | 事務・労務担当 | 10月を起点に直近1年分を集計する |
| ④SRS-18・モチベーション調査 | 様式に沿った職員アンケート | 委員会の事務局 | 無記名にすると回収率と回答の率直さが上がる |
| ⑤タイムスタディ調査 | 5日間の業務記録(自記式または他記式) | 対象職員+委員会 | 最も負担が重い。対象者と実施時期を絞って計画的に行う |
②と③は勤怠記録から集計するデータであり、機器から自動的に出てくるものではありません。ここを取り違えると準備が滞るため、労務担当との連携を早い段階で決めておいてください。
実務のボトルネックは「業務時間の短縮をどう示すか」
WHO-5やSRS-18は様式に沿って調査すれば作成できます。年休取得は勤怠記録から集計できます。残るのが総業務時間の短縮で、ここが最大のボトルネックです。理由は2つあります。短縮の実感はあっても数値にできない施設が多いこと。そして、データを収集するための記録作業自体が現場の負担になってしまうことです。
このボトルネックを解く鍵は、測定を人手に頼りすぎないこと。日常業務のなかで自然に蓄積される記録を活用することです。
機器ログと勤怠データを組み合わせて効果を示す
総業務時間や超過勤務時間そのものは、勤怠記録から集計します。一方、見守り機器のログは、「なぜ業務時間が短縮したのか」を説明する根拠になります。導入前後の訪室回数や夜間対応回数などを同じ条件で比較し、勤怠データの変化と合わせて検証することで、業務改善の成果を客観的に示せます。
eライブには、最大200人分・過去12か月分のバイタルデータと生活サイクルをレポートとして出力する機能があります。利用者ごとの夜間の睡眠・覚醒、離床の傾向、心拍・呼吸の推移が、日々の運用の副産物として蓄積されていく。委員会での効果検証や実績報告の基礎資料を、職員が別途手書きの記録を取ることなく用意できるということです。
業務時間の変化については、導入施設の実測値を紹介します。
老人保健施設はね様(82床)では、夜間の訪室回数が導入前の1日平均26回から10.8回に減りました。通知が鳴るたびに駆けつけるのではなく、まずカメラで状況を確認し、必要な訪室だけに絞れるようになったためです。介護老人福祉施設サンヒルズ広島様(89床)では、訪室回数がおよそ半分になり、職員1人あたりの総業務時間が月平均5.3時間減少しました。
月5.3時間の短縮は、提出データ②「総業務時間の短縮」がそのまま数値に表れた形です。もちろんこれらは各施設の運用条件のもとでの実例であり、すべての施設で同じ結果を保証するものではありません。ただ、業務改善の成果を検証するための客観的なデータを、日常運用の中で継続的に蓄積できることを示す実例ではあります。両施設の取り組みは、導入事例で詳しく紹介しています。
生産性向上委員会の設置と運営

委員会は加算(Ⅰ)(Ⅱ)共通の必須要件です(設置には経過措置あり)。形式的に開くだけの会議にせず、効果測定のPDCAを回す場として設計すると、実績報告の作成が一気に楽になります。
開催頻度と検討すべき4項目
開催は3か月に1回以上。検討事項は、①利用者の安全確保とケアの質の向上、②職員の負担軽減と勤務環境への配慮、③導入機器の定期点検、④職員研修の実施、の4項目です。
メンバー構成——管理者だけで固めない
委員会には、管理者だけでなく介護職員やユニットリーダーなど現場の職種を入れることが求められます。これは要件であると同時に、実利でもあります。機器の「使いにくさ」は現場からしか上がってこないからです。委員会が現場の声を拾う場になっていれば、機器の定着が早まり、改善効果も表れやすくなります。
記録の残し方——実績報告から逆算する
議事録は「開催した証拠」ではなく「実績報告の下書き」として書くのがコツです。検討4項目を毎回の議題の柱に固定し、機器の運用状況・効果測定の途中経過・改善アクションを日付付きで残しておけば、年1回の報告時期に慌てて記憶をたどる必要がなくなります。
運用ルールの決め方は、導入施設の実例が参考になります。介護老人福祉施設サンヒルズ広島様では、誰でも操作できる一方、無秩序な設定変更が事故につながらないよう、現場スタッフ・リーダー・役職者の3段階で操作権限を分け、責任の所在を明確にしています。委員会で決めるべき「運用ルール」の好例です。
加算取得までの6ステップ【実務ロードマップ】

ここまでの要件を、実際の進め方に落とすと次の6ステップになります。ゼロから始める施設で、届出まで最短3〜4か月が目安です。
- 現場の課題を数値で整理する——夜間の訪室回数、記録にかかる時間、超過勤務の実態を洗い出します。ここが機器選定の根拠になり、そのまま効果測定の「導入前」のデータにもなります。
- テクノロジーを選定する——課題に合う機器を、加算(Ⅰ)で求められる3種類すべての導入を見据えた構成で選びます。補助金の公募時期もこの段階で確認しておきます。
- 導入前の状況調査を実施する——比較対象とする月を定め、総業務時間・超過勤務・年休取得を記録します。忘れると(Ⅰ)への比較ができません(前述のとおり最重要ポイントです)。
- 機器を導入し、委員会を設置する——初回の委員会で運用ルール(操作権限・通知への対応手順・点検体制)を決め、職員研修を実施します。
- 運用しながらデータを蓄積する——委員会を3か月に1回以上開催し、機器のログと勤怠データの両面から効果を追いかけます。
- 指定権者へ届出を行い、データを提出する——加算の算定開始には届出が必要です。効果測定データは事業年度ごとに1回、オンラインで提出します。
「生産性向上ガイドライン」は業務改善の設計図
ステップ4〜5の業務改善は、厚生労働省の「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」に基づいて進めることが要件になっています。ガイドラインの本体と関連ツールは、厚生労働省の介護分野における生産性向上ポータルサイトから入手できます。ガイドラインは改善の手法を7つの視点で示しています。職場環境の整備、業務の明確化と役割分担、手順書の作成、記録・報告様式の工夫、情報共有の工夫、OJTの仕組みづくり、理念・行動指針の徹底——の7つです。
すべてを一度に実施する必要はありません。実務では「業務の明確化と役割分担」と「情報共有の工夫」から着手する施設が多く、これは加算(Ⅰ)の要件である役割分担の取り組みや、インカム導入の効果測定とそのまま重なります。ガイドラインを別課題として抱え込まず、機器導入の運用設計と一体で進めるのが負担の少ない進め方です。
導入費用は補助金・支援事業でまかなえる
見守り機器やICTの導入には、介護テクノロジー導入支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業)をはじめとする補助制度が使えます。都道府県ごとに公募時期・補助率・上限額が異なり、公募期間が1か月程度しかない自治体もあるため、機器選定と並行して情報を追っておくことが大切です。加算で毎月の増収をつくり、初期投資は補助金で圧縮する——これがこの加算のもっとも現実的な取り組み方です。
施設所在地で利用できる補助金は、郵便番号から調べられるeライブ補助金活用ナビで確認できます。47都道府県の実施状況と申請書テンプレートを無料で提供しています。
なお、テクノロジーの導入は人員配置にも関わります。一定の要件を満たす場合、特定施設における人員配置基準の特例や、介護老人保健施設等の夜間配置の見直しにつながる場合もあります。夜勤職員配置加算との関係は、別記事で詳しく解説する予定です。
よくある質問(FAQ)
Q. 機器を1つ導入すれば、すぐに加算(Ⅱ)を算定できますか?
いいえ、機器の導入だけでは算定できません。委員会の開催、生産性向上ガイドラインに基づく継続的な業務改善、年1回のデータ提出がセットで要件です。導入と同時に委員会の初回開催と事前調査(勤務データの保存)を済ませておくと、その後がスムーズです。
Q. 効果測定データはいつ、どうやって提出しますか?
事業年度ごとに1回、オンラインで提出します。総業務時間等の調査は対象年度の10月が基準月になるため、10月の勤務データは特に確実に記録しておいてください。
Q. いきなり加算(Ⅰ)から算定できますか?
できます。加算新設前から3種類のテクノロジーを導入し、生産性向上の取り組みの成果をデータで確認できる施設は、(Ⅱ)を経ずに(Ⅰ)を算定可能です。導入前データがない場合の扱いは、令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.5)問12の代替手順(ヒアリング調査等)に沿って進めます。
Q. 効果測定のデータは機器から自動で出せますか?
一部は機器のログを活用できますが、すべてではありません。総業務時間・超過勤務時間・年次有給休暇の取得状況は勤怠記録から集計します。機器のログは、訪室回数の変化など「なぜ業務時間が短縮したのか」を裏づける根拠として組み合わせて使います。
Q. 加算(Ⅰ)では見守り機器をどこまで設置する必要がありますか?
すべての居室への設置が必要です。あわせて、インカム等のICT機器は同一時間帯に勤務する全介護職員が使用できる体制が求められます。加算(Ⅱ)の段階では一部フロアへの導入でも要件を満たします。
Q. 導入費用の補助はありますか?
あります。介護テクノロジー導入支援事業など、都道府県が実施する補助制度が利用できます。公募時期と条件は自治体ごとに異なるため、補助金活用ナビで施設所在地の実施状況をご確認ください。
まとめ:体制づくりは「測れる仕組み」から

生産性向上推進体制加算の要件は、機器の導入・委員会の運営・年1回のデータ提出の3つに整理できます。そして実務で差がつくのは、要件の理解ではなく効果測定です。導入前から数値を取得し、勤怠データと機器のログを組み合わせて検証できる状態にしておけば、(Ⅱ)から(Ⅰ)への道は一本道になります。
テクノスジャパンは1997年に離床センサーを発売して以来、約30年にわたり介護・医療の現場の見守りを開発してきたメーカーです。加算要件に沿った機器構成のご相談から、導入後の効果測定・データ活用まで、一貫してお手伝いします。
eライブの機能と加算対応の構成が分かる資料は、ダウンロードページから無料で入手できます。効果測定をテーマにした無料オンラインセミナーも開催していますので、開催予定はセミナー情報をご覧ください。
参考資料
- 厚生労働省老健局「生産性向上推進体制加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(介護保険最新情報Vol.1218・令和6年3月15日)
- 厚生労働省老健局「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.5)」(介護保険最新情報Vol.1261・令和6年4月30日)
- 厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」(介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン ほか)
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
この記事の運営者
この記事は、株式会社テクノスジャパン(1993年設立・兵庫県姫路市)が運営しています。1997年に離床センサーを発売、累計60万台以上の見守り機器を介護・医療の現場に届けてきました。高齢者見守りシステム「eライブ」の開発・製造・販売と、補助金申請から導入・運用までの一貫サポートを行っています。