『やってみなわからん!』-私の体験-

No.13 第4章 (売れない)販売

投稿日:2010/03/29 投稿者:大西秀憲
前号では、ついに製品に適合した「展示会」が発見できたことにふれた。
そこで、以下に展示会についての経験則を書く。

平成7年秋から東京の展示会に出展を始めたが、この頃は未だ対象となる展示会を特定していなかった。
最初に出展したのは「病院設備機器展」であったが、どうも「ピッタリ」はまらない思いがあった。
そして医療・福祉関係の展示会を調べて、効果がありそうな展示会に出展した。
実に多くの展示会があり「出展案内」を見ると、どれも魅力があって「出展」を誘惑するキャッチコピーが多い。
実は、これが「善良・純真・無垢のベンチャー」を惑わす元凶である。
・・・「ひょっとすると?」この出展が縁で「大ブレークするかもしれない!」と思うのである。
(なぜ?惑わされるのか、それは製品を作ったのはよいが「売れなくて困っている」からである)
何とかしたい!と、実に多くの新規創業企業が惑わされて出展する。
そして、何も成約も伸展もないまま「富士山麓の樹海」に迷い込み、そして挫折するのである。

展示会は、はっきり2つのタイプに分かれる。
1つは、表から見ても、裏から見ても、本当の(実業的な)展示会であり、これは「出展効果」がある!
もう一つは、「虚業」の展示会であり、これは「為にする展示会」である。
・・・これは、表から見ると本当のように見える展示会であるが、実は「うそ」である。
ベンチャー企業や創業間もない企業は充分気をつけないと、一見「両者の見分けがつかない」ので騙される。
実は私も、次から次へと展示会の誘いがあり、多い時は1年に20回以上の展示会に出展したのである。
しかし! 全く効果が無かった!
要するに、ほとんど全て「虚業(うそ)」の展示会」だったのだ。
・・・絶対に「ひょっとすると?」は起きない!!

これを「見破る秘訣」を披露する。
  1.公的組織(役所&外郭団体・機構・公社など)が主催者の展示会ではないか?
  2.過去の出展者履歴を見て、虚業(公的組織)が多くないか?
  3.出展料が安くないか? (一般の展示会は1小間35万~38万円である)
  4.開発の公的助成金・補助金を受けたことに対する出展料の割引や無料化の扱いはないか?
  5.出展する「製品の性格」と展示会の性格がズレていないか?
以上に、一つでも該当したら「絶対に出展してはならない」と肝に命じるべきだ!

これらの展示会を「ひまつぶし」にするのはよいが、全く時間の無駄である。
なぜなら、これらの展示会には「関係者」らが来るだけである。
要するに「実務者」、「ビジネスマン」、「エンドユーザー」は絶対に来ない。
主催者は「展示会をした事が成果」なのである。
一方、ベンチャーの出展目的は、対象市場のキーマンへの「製品告知」と「販売」である。
私は、散々金を使って、時間を使って「壮大な無駄」をやって、そして上記の「法則」を会得した。
だから、当時の私と同じよな境遇にある人へ、特別に伝授したのである!

このようにして「ピタリとはまる」展示会の模索をしている内に「国際福祉機器展」に行き着いたのである。
平成10年秋、東京ビッグサイトで3日間開催される、同展示会(通称HCR)に出展した。
思い切って「2小間」で出展、トータルで約150万円の費用であったが、確かな手ごたえを感じた。
要するに、本物の展示会に到達したのである。
(この頃の展示会は「牛谷君と私の二人」だけで全てを担当していた)
展示会は5時に終わるが、それから二人で撤収をして、その足で東京から姫路に帰るのである。
23時30分頃に姫路に着くが、不思議と疲れは無く「今度の展示会は良かったナ!」が収穫の言葉だった!
・・・以後、HCRには連続12回出展している。

以下、次号で書く。

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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