『やってみなわからん!』-私の体験-

No.27 第8章 会社の整備

投稿日:2011/05/30 投稿者:大西秀憲
前号では会社が「黎明期から成長期」に移行する際の「会社のしくみの整備」について書いた。
整備の最後に「現在の飯のタネの重要性」について述べる。

起業した会社が同じ製品でいつまでも「飯が喰える」とは決して思わない。
しかし、第二・第三の柱となる製品を準備をする場合でも、そのリソースは「現在のベース事業」である。
従って現在、会社が飯を喰っている「製品・事業を確たるもの」にすることが最優先経営課題である。
・・・要するに徹底的に「入れ込む」ことである。
「入れ込む」とは?一体どういうことであろうか? 答えはいくつもあると思う!
私は、それは「業界ナンバーワン」になることだと思う。
・・・それが「ベースとなる事業」を大切にすることである。
そのために具体的に次のように考えたので少し説明する。

日本で行われる製品展示会は実に多い。
しかし以前の章で書いたように、企業に本当に効果的な展示会は「ごく少ない」のである。
・・・よって、自社に「ピッタリ合う」展示会は、自社の努力で見つけねばならない。
重要なことは、効果が少ないからと云って、展示会出展を躊躇ってはならないことである。
・・・即ち、2度や3度の出展で、効果がないからと云って止めるなと云うことである。
展示会はメーカーにとって絶好の「アピールの場」であると、私は捉えている。
逆に云えば、展示会のアピールはメーカーの責任であると思う。
現に、業績が悪い会社は出展しないし、展示しても「お粗末なブース」であるから「影が薄い」と感じる。
従って、逆に考えれば展示会は「会社業績を良く見せて顧客に強くアピール」できる良い機会なのである!
私は以上のことに「ある日ふと」気がついた。

そこで2010年(平成22年)秋の「国際福祉機器展(HCR)」は思い切ってアピールすることにした。
・・・実は2~3年前から「間尺に合う」ブースを参考に絞り込んでいた
初めて、独自のブースデザインと設営による展示会を行ったのである。
・・・今までは「標準小間」と呼ばれる組立式パネルによる展示であった。
当然ながら「工芸社」に全てを依頼する訳であるから金額は大幅に高くなる。
結果は大成功だったと思っている。
一番の効果は、テクノスは元気だという「見栄」である!
見栄は製品を評価する。
だから金はかかったが来場者と出展者に充分アピールできたと思っている。
従って1年に1回のメジャーな展示会に出展して「出来るだけ派手に」アピールすることはメーカーの責任だ!

メディアによる情報発信も非常に重要である。
それもできるだけメジャーなメディアがよい。
・・・これも私が十二分に経験したことであるが、地方の(マイナーな)メディアでは、ほとんど効果がない。
(経験された方は分かると思うが、メディアにも当然ランキングがある)
メディアに登場するためには日頃から頻繁に情報発信していなければならない。
・・・何もしないのに偶然取り上げられることは絶対にない。
(必ずこまめに頻繁に情報発信していなければならない)
ここで比較的新しく登場したものを紹介する。
「日経ビジネス」という「知る人ぞ知る」メジャーでトップランキングの経済雑誌がある。
この雑誌の人気コーナーに「隠れた世界企業」と云う2ページがある。
ここに登場して紹介されたことは非常に大きい。
・・・なぜなら、読者層がハイレベルだからである。

また、TVのメジャーな番組に登場することも大変インパクトがある。
NHK大阪放送局の目玉番組の一つに、新ビジネス伝説「ルソンの壺」と云う放送がある。
これは日曜日の朝8時ごろから25分間放映されるものである。
平成22年1月10日にこのルソンの壺にて紹介されたことは非常に大きな効果であった。
この番組はニュースではなく「その会社の、その人物にフォーカスした」出演番組であり、少しだが出演料も出る。
つまり、約25分間、会社と私がTVの中心になるのである!
・・・この意味は非常に大きい

実は私はこの番組に登場したいと照準に据えて、ありとあらゆる角度から情報発信をしていた。
もちろん、直接番組に売り込んでもダメであるし、状況が整っていない状態では絶対に取上げられることはない。
外堀を埋め、中堀を埋め、全ての準備をした上で本丸を攻めねばならない。
・・・地方の新聞にすら載ったことがない企業が「ルソンの壺」に登場することは絶対にありえない!
メジャーなTVにて放映されると注目度と信用度が桁違いに増す。
何より、弊社の営業マンが客先で話題にできるし、顧客に評価されモチベーションが高くなる。

以上述べた2つの例は会社のためになることである。
その目的は「ベースとなる事業」を確たるものにすることである。
・・・黙っていては誰も何もしてくれないし、何も変化しないし、何も前進しない。
「 長い時間×失敗×努力×資金×知名度 = 製品エネルギー 」
これを徹底的に大切に不動のものにすることが最も重要なことである。

第8章 完

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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