『やってみなわからん!』-私の体験-

No.25 第8章 会社の整備

投稿日:2011/03/28 投稿者:大西秀憲
製品開発については「開発」の項で縷々述べた。
最も重要なのは、それを製品化して、市場に安定供給する製造のしくみと体制であるが、これも計画的に整備した。
営業スタッフと拠点ラインも整備し、販売網も整ってきた。
経営能力と手腕に優れた人なら、以上を一気呵成にやってのけるであろうが、私は凡人なので牛歩しか出来ない。
世情、「目を見張る経営能力を持つ人」を見る度に、この「能力の差は如何とも、し難いな!」といつも思う。
しかしながら、自分は自分であるから自己の能力の範囲で「なめくじのマラソン」の如く、進むしかないのである。

以上のようにゆっくりではあるが、ようやく少しばかり会社として形ができてきた
開発した製品が「あれば便利な物」から「必要な製品」に認知されだした。
そして努力に応じて、少しだが収益も見込めるようになった。
そこで次のSTEPに進むことにした。
それは明確な「CIの主張」と「独自性=差別化」の打出しである。

丁度良い絶妙のタイミングで「CIの主張」として客観的な2つの評価を得た!
1つは、非常に幸運であるが2006年度から経済産業省が打ち出した制度で表彰を受けた。
それは、「明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社」に選定と云うものである。
全国に約500,000社と云われる製造業の中から「300社」に選ばれた訳で、この意義は大変大きい。
そこで、「日本の300社という責任」のキャッチコピーを打ち出した。

もう1つは、続いてまた幸運にも、2009年度「ものづくり日本大賞 優秀賞」を受賞した。
この表彰制度のキャッチコピーは「ニッポン発、世界品質」である。 ・・・良い言葉だ!
そこで、私もこの言葉を前面に打ち出すことにし、総合カタログに表示した。
通常、自社が主観で主張するCIは多い、しかしこの2つは「公的な認定」であり、客観的なものである!
従って、私は様々な要素が濃縮されたエキスとして、「テクノスジャパンCIの主張」に使いたいのである。

また総合カタログには「3つのポリシー」として経営者の思い(哲学)を発信した。
その思いとは、要約すると次のような内容である。
◎ テクノスジャパン・離床センサー「3つのポリシー」
①安心できる療養環境づくりのお手伝い!
 価格だけ、 値引率だけ、 売るだけ、 他社批判だけ ・・・こんなことだけはやりたくない!
 テクノスの営業は、提案し! 役立つ情報を提供し! セミナーを開催して一緒に問題を考える。
 要は、お客様と一緒に「安心できる療養環境」を作りたいのである。
②ベッド周りのケーブルをなくしたい!
 離床センサーのケーブルにつまずいて転倒したら本末転倒です!
 だから、テクノスセンサーにはケーブルが、ただの1cmも無いのです!
 ・・・これが技術です。
 コードレスセンサーもやがては他社模倣品が必ず出てきます。
 しかし先駆者の発想と生みの努力を、ぜひ評価して頂きたいと思う。
③スピード修理
 壊れたら使い捨ては社会悪です。 弊社は10年前の製品でもちゃんと修理する。
 昔の日本はそれが当たり前であった。 ・・・だから私はそうしたいのだ!
 そして、宅配便で届いたその日にすぐ修理する。 ・・・すぐにお客様の元にお返しする。
 これを頑固に続けていく。 ・・・しかも「極めて低額の修理費」で対応している。 

・・・だから、壊れたら修理できない中国製と、テクノス製品は一緒にされたくないのだ!

次に、お客様への「定期的な情報発信」をぜひやろうと思った。 ・・・構想としては以前から持っていた。
そして、平成21年春から始めたのが「テクノス通信」の発行である。 ・・・月に1回「ネットで」定期に発行する。
  ・・・内容は企業や製品の宣伝ではない。 お客様のための役立つ情報がメインである。
定期発行は簡単に見えるかも知れないが実は難しいものである。 ・・・続けると云うことが難しいのだ!
(数回発行して止める会社は実に多い! ・・・止めるなら最初からやるなと云いたい。)
内容を充実しないと誰も読んでくれない。 内容を濃くするには手間がかかる。 ・・・だから人が必要だ。
専従者が担当しないと発行できないし、また続けられないのである! 
おかげ様で発行数は順調に伸び、発信内容を活用頂ける例も非常に多い。
  ・・・弊社の規模で分不相応だと思う人も居るだろうが、メーカーとして売る以外の「情報発信」に意義がある!
「テクノス通信を現場の問題解決のテキストとして活用している」と云う声を聞くと嬉しくなる!

以下次号 

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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