『やってみなわからん!』-私の体験-

No.17 第5章 プレス

投稿日:2010/07/26 投稿者:大西秀憲
前回は「プレス発表や情報発信」の重要性について書いた。
ここで、参考のため「プレス発表の仕方」について少し書く。
(もちろん完全な自己流であることを承知されたい) プレス発表は概略3つの方法がある。
  1.記者クラブでリリースする。
  2.特定の(親しい)記者にリリースする。
  3.ニュースポストを利用する。

それぞれについて概略を書く。
   商工会議所にはプレス担当部門があり、また大きな町の商工会議所には「記者クラブ」が設置されている。
   例えば姫路商工会議所内には「はりま経済記者クラブ」がある。
   記者発表を希望する場合はプレス担当部門に発表日時と内容を申し込めば、記者クラブに連絡される。
   あとは、指定した日時と場所で実際に発表するのである。
   事前に通知した発表内容に興味がある「記者」だけが発表に参加する。
   ・・・従って、事前に「記者クラブ」に流す「内容」は重要であり、その書き方は最も重要である!

2.特定の(親しい)記者にリリースする。
   これは特定のメディアにだけ発表する方法であり、従って日頃から「親しい記者」との付き合いが必要である。
   プレス発表を重ねて行くと分かるが、発表ネタによって「向き不向き」のメディアがある。
   従って、内容によって「リリース先」を選ぶために複数の記者が必要である。
   1社だけに限定してリリースするのであるから、必ず記事にしてもらえるメリットがある。

3.ニュースポストを利用する。
   これは直接自社が記者発表するのでなく、間接的に発表する方法である。
   発表内容をポストに送っておけば自動的に(かつ定期的に)、提携するメディアに情報を提供してくれる。
   それを見て興味を持ったメディアが個別に取材を申し込んでくる場合もある。
   例えば東京商工会議所にニュースポストがある。

以上のようにプレスリリースについて書いたが、重要なのは積極性である。
とにかく自分で発表することである。
ところで、「メディア」が取り上げたら、製品が売れると、多くの人が思っているのではないだろうか?
実は私もそのように思っていた。
しかしこれは大いなる勘違いである。
結論を云えば、「プレスと販売」は無関係である。
メディア(例えば新聞・雑誌など)で製品がいくら報道されても、それで売れるようにはならない。
売るためには「自己努力と仕組みと仕掛け」が必要である。
当然ながら、メディアは販売組織ではない!

自分が熱い思いで開発した製品は、だれでも沢山売りたい!
製品が完成したら次は販売となるのは当然だが、(前に書いたように)販売は開発ほど単純ではない。
どうしても売れない・・・どうしたらよいか?・・・この中で、メディアの存在が浮かんでくるのは自然である。
そして「プレスリリース」となる訳であるが、そのやりかたが問題である。
初めて記者に発表すると、なかなか思い通り説明ができないものである。
中には、リリース資料も無しで、製品だけで「取扱い説明」のような発表になる。
このような稚拙な発表では記者に理解してもらうことは難しい。

そこで私の経験からプレス発表の要点について参考になればと思い記す。
(記者クラブを対象に「新製品」を発表する場合)
(事前に)1.日時・場所・リリースの概要・発表社などを簡潔・具体的に、しかもインパクト強くまとめ事前配布する。
      2.発表直前日に再度配布する。
(当 日) 3.「リリース説明資料・カタログ・製品」を基に「簡潔・具体的に」説明する。
         それは何か、何に使うか、市場初か、今までとどう違うか、特徴は何か、開発のポイント
         販売開始日、どうやって売るか、販売計画、価格、など
      4.パソコンを使い、映像・音声を利用して説明すべき。
      5.製品の実演は必ず行い、「記者諸氏」に体験を薦める。
      6.3.のリリース資料は、「鏡」と「中身」を分け、鏡はA4 1~2枚で完結させる。
         発表社の社名・代表者名・住所・TEL・業種は不可欠。
         鏡の内容は「記者の立場に立って製品を見た」書き方が非常に重要。
      7.質問には的確に答えられるよう360度の頭が必要。
      8.とにかく充分な準備をした上で発表に望むことは云うまでも無い。

以上、難しいようだが、最初からパーフェクトにできる訳がないので、とにかく「場数」を経験すべきである。
きちんとした記者発表の一つも出来ないようでは、いつまで経っても「しがない町工場」である!

以下次号

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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