
No.1 「つぼき」が消えた!
投稿日:2000/10/31
私が毎日何をどのように感じているか?恥ずかしながら書いて見ることにしました。
一週間に一回位は書こうと思っていますので、もし時間があれば読んでみて下さい。
今日は田舎の風景について書きます。
日本の四季は世界で一番素晴らしいと思っています。
今、田んぼの稲刈りも全部終わって、晩秋の色が一面を覆っています。
しかし、なぜかこの風景に足りない寂しさがあります。
それはなぜなのか?・・・と考えてみました。
そうだ!「つぼき」が無いのです!。 つぼき、とは藁を積んだ山です。
昔の晩秋は、どこの田んぼも、「つぼき」があったのです。
稲を脱穀したあとに、藁が残ります。この藁を「円筒形」に積み上げ、屋根を付けるのです。・・・どこの家でもそうでした。
2mぐらいに積んだ藁は、翌年に細かく切り、田んぼに蒔いて肥料にするのです。
「つぼき」を作るのも、藁を切るのも、子供の仕事でした・・・
脱穀したあとの藁は実にいい匂いがしました。
・・・藁で小屋を作り、寝たこともあります。
また、「つぼき」で良く乾かした藁は翌年、「畳やさん」に売れたのです!。
肥料と言い、畳と言い、みごとな「リサイクル」システムでした。
そして、何より田舎の情緒ある晩秋風景だったのです!。
これが、今、全く無くなり、見ることが出来なくなりました。
コンバインで刈り取り、化学肥料を使い、そして畳に藁を使わなくなりました。
物質の豊かさと共に、田舎の風情が消えてしまったのです。
朝、通勤の車から見る風景に「何か足りないな!」と長い間、思っていましたが、それが「つぼき」だったのです・・・
昔の田舎の晩秋風情を思い出すのは、つまらない感傷でしょうか?