『風の見える朝』

No.58 オリンピックと金

投稿日:2004/09/13 投稿者:大西秀憲
とにかく、アテネで日本選手の活躍が素晴らしい。
既に史上最多のメダル獲得数であるから、記録を作るのは間違いない。
金メダルの数が世界3位というのも、頼もしい限りである。
金メダルを取った選手の表情と言葉を聞くと感動する!
やはり、世界の頂点を極めた人の重みがある。

今回のメダルラッシュの火付け役は「柔道の野村と谷」だと思う。
私は柔道の試合をテレビで見るのは嫌いである。
なぜなら、二人が「いんごろもんごろ」して、技がさっぱり見えないからだ。
早い話、レスリングと大きな違いがないように見える。
(着ている服が違うだけではないか!とさえ思う)

そのような中で、私は「野村」が非常に好きである。
なぜなら、彼はいつも「スキーッ」とした素晴らしい技で勝つからである。
このぐらい、解りやすい選手はいない。
他の選手はどうか・・・有効・指導・技あり・判定など非常に解り難い!
二人で「ゴロンゴロン」しているだけで、見ている方に不満がたまる。
やはり、柔道特有の切れの良い技で、相手を投げ飛ばすのを期待しているのだ。
この点、野村選手はサイダーのような勝ち方をする。 これが好きなのだ。
特に、オリンピック3連覇ということも、物凄い快挙である。
野村の金を見て、「よしやるぞ!」と思った選手も多いと思う。
オリンピックに出る選手は誰も実力はほとんど変わらないものを持っている。
つぶぞろいなのだから、メダルを左右するのは、精神力である。

ところで、いつもオリンピックの度に気になることがある。
日本がオリンピックにかける費用の総額についてである。
選手団・監督・コーチ・トレーナー・マネージャー・事務方・役員・審判等々。
選手団の数は入場行進で発表されるから解るが、全体の数は一体いくらか?
もちろん、渡航費用・滞在費用・食費・その他経費の総額のことである。
当然、それらの費用全ては「日本国」から出ていると思うが、どうなのか?
また、以上はオリンピック期間中の費用であるが、それ以前の費用はどうか?
例えば、強化合宿・トレーニング・遠征などに関わる全ての費用である。
私は、総額費用実績の発表を見たことも聞いたこともない。
国からいくら出ているのか知らないが、全て国民の税金からである。
だから、総決算で公表するのは当然と思う。

私はオリンピックにかける「費用」を削れと言っているのではない。
むしろ逆である。
   [オリンピック総費用] ÷ [獲得メダル数] = メダル1個のコスト
これが明らかになれば、50個・100個のメダルを取るための費用が解る。
金をかけて良い素質の選手を選び、強化訓練に金をかければ、当然強くなる!
オリンピックで勝つこと(つまりメダル獲得)は国威発揚である!
だとすれば、メダルは少ないより多い方が国民は喜ぶ。
また日本という国を世界にアピールする最も解りやすい手段である。

一体、今回は「いくら費用がかかったのか?」隠さずに知りたい。
それは、JOCあたりがまとめて総決算を公表したらよいと思う。
スポーツと金の関係を忌み嫌う人もいるだろう。
しかし、世界に通用する一流の選手には金がかかるのは当然である。
また、強化練習・海外遠征・合宿などに多額の費用がかかるのは当然だ。
つまり、スポーツを本当にやるためには「金」が不可欠である。
メルヘンの世界のような「きれい事」をいう一部の人間は無視すればよい。

相変わらず、使いもしない「箱物」に莫大な金をかけた壮大な無駄遣い。
湯水の如く無駄金をつぎ込んで、最後には税金で穴埋めする特殊法人。
そのような国民を愚弄するような金があったら、一流選手の育成に使うべきだ。
我々国民も、メダルを取ったときだけ喜ばずに、金を使うことに賛同すべきだ。
そのためには、オリンピックとスポーツにはいくらかかるのか?公表すべきだ。
これを知った上で(つまり国民のコンセンサスを得て)応援する方が力が入る。
そのほうが、あの金メダルの瞬間の感動が、より身近になると思う!

金メダルの選手に「300万円」は少ない!

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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