『夢のつれづれに』 - 私の願い -

No.70 シルクロード

投稿日:2019/05/31 投稿者:大西秀憲

ここの所少し硬い内容が続いたので、今回は旅の話をする。
  旅は「中国のシルクロード」である。
    前々から行きたいと思い続けていたのがやっと実現した。
      目的は絵を描くための材料(画題)を仕入れるためだ。
        従って、小さなスケッチブックを持って行った。
          以下に、感じたまま脈絡なく書くことをご容赦下さい。

「西安」はシルクロードの起点である。・・・昔は「長安」と呼ばれた。
  永く中国の都であり、日本の遣隋使・遣唐使が行ったのはこの長安である。(京都の都は長安をモデルにした)
    大きな町である。 ・・・巨大な城壁に囲まれた都市だ。・・・人口は約1,200万人
      夜になると町の照明が凄い! ・・・全ての建物がきらびやかな照明で浮かぶ(多分LED)
        西安は「習近平 皇帝陛下」の出身地だから、ゴマすり近習の忖度で「急成長」しているそうだ
          何と云っても、ここは「秦の始皇帝の墓と兵馬俑」が有名である。・・・墓のスケールが地球規模だ!

西安から敦煌へは飛行機の移動で約2時間
  いよいよ「敦煌」に着いた ・・・海抜は約1,200m(高地である)
    町だけが緑で、周りは全て赤茶け荒涼とした土地と砂漠。 ・・・飛行機からの眺め
      今回の旅で、やはり敦煌が最も良かった。
       「莫高窟」はテレビで何回も見ていたこともあるが、予想通りの感想だった。
         最も良かったのは「鳴沙山」と「陽関」・「玉門関」である。
          中国の詩人「王維」の「涼州詩」を頭に置いて陽関を見ると感慨ひとしおである。
           周りは人を寄せ付けない辺境の地だ! ・・・もちろん人は住んでいない
            ここは本当に絵になる風景だ!

敦煌から「トルファン」はバスと新幹線の移動(新幹線は日本のパクリ、但し時速は200Km)
 トルファンへの道中は「風力発電」と「油田」
  道路は、ひたすら真っすぐ! 周りは荒涼たる褐色の荒野。
   風力発電の風車の凄さ! バスで2時間走ってもまだ風車だ! 見渡す限り風車
    良くしたもので人を寄せ付けないこの地に「油田」・・・中国一の石油田である
     トルファンの町に着いたら耳がおかしい?
      聞けばトルファンの海抜は約30mである! ・・・だから耳貫が必要だったのだ(1,200mからの降下だった)
       従って、完全な盆地である。・・・訪問時の気温は40度だった!
        だから天山山脈からの地下水が豊富! そこでトルファンは「広大なブドウ生産地」である。
         しかし周りは荒涼たる褐色の荒野と砂漠。
          町で見かける人は民族が違うのが良く分かる。・・・漢民族ではなく、ウイグル族だ

トルファンから「ウルムチ」へはバスの移動・・・休憩しながら約5時間
 天山北路最大の町で「新彊ウイグル自治区の首都」である。
  まず、町の大きさに驚いた! 何と人口360万人である。 ・・・横浜市に近い
   高層ビルが乱立し、高層マンション(30~40階か?)がびっしりと立っている。・・・しかも郊外まで!
    おまけに「地下鉄」まであるのだから凄い!
     私の想像していた町とは雲泥の差であった。
      よって、私が期待していた所ではなかった・・・

飲み水
 水道水は飲めない・・・もちろんホテルの水道も同じ
  飲み水は「ペットボトルの飲料水」だけである。
   自己責任であるが、もし日本人が飲んだら酷い下痢で悩まされるだろう・・・
    だから常にペット水が必須!

ホテルの水と風呂
 トルファンのホテルはバスタブ付きだったので湯を張ろうとした
  出てくるのは「ちょろちょろと出る、ぬるい湯」で、湯船を見たら茶褐色のたまり」だった。
   身体が汚れるので風呂は止めた!!
    旅行中全てのホテルで、まともな湯が出る所は無かった
     ・・・これが地元では「五つ星ホテル」だという。

便所と紙
とにかく便所が極めて汚い!
 平面的な便器?(足を置くだけ)のあらゆる部分に「カレーの汁」が飛び散り、付着している
  足を置くところにも飛び散っているので、小便をするにも躊躇する・・・兼用が多い
   流していない!のである。 そして、なぜか?ゆるめのカレー汁が多く、見事な固形は見たことが無い。
    みんな、いつも下痢しているのだろうか?
     そして極め付きは「紙が無い」ことだ!
      立派な博物館のトイレさえ「紙がない」のである。
       しかもトイレットペーパーの「ホルダー」がどこにも無いのだ!
        ・・・とにかく、知らずに入って困った!
なぜ?立派な建物の便所に紙がないのだろうか??  ・・・みんな持ち去るのか?
 みんなどうしているのだろうか? ・・・拭かないのか!

公安の取締が異常である。
新彊ウイグル自治区の緊迫した状況は承知していた。
 しかし、ここまでピリピリして厳重警戒しているとは予想外だった。
  ホテルに入るのも「Ⅹ線透視装置」の手荷物検査、ボディチェックが毎回必要だ。
   観光地い行くと、施設の入口で「Ⅹ線透視装置」の手荷物検査、ボディチェック、あるいは「顔写真の撮影」が必要。
    駅の入口でも「Ⅹ線透視装置」の手荷物検査、ボディチェック、顔写真撮影。
     空港道路に行く道路、インターチエンジでもバスから全員が降りて、ボディチェックと顔写真撮影される。
      (例えば、姫路駅の入口で、姫路城の入口で、同様の事をされたら、どう思うだろうか?)
ウイグル族のテロや蜂起による暴動を極度に警戒しているのは分かるが・・・・
とにかく、異常である!

文化大革命による破壊
「莫高窟壁画」、「千仏洞壁画」、「大慈恩寺・大雁塔」等々、至る所が無残に破壊されている。
 壁画も削り落としているし、貴重な経典や歴史的建造物を、ことごとく破壊した。
  しかも、手当たり次第に、無茶苦茶に壊した!
   誰が破壊したか?
    「毛沢東」の命令で「紅衛兵(子供)」がやった。
      壊したのは全て、貴重な貴重な歴史的文化遺産、世界的な遺産である。・・・元には戻らない!
よくも、こんな酷い事をやったものだ。
 その人物が中国の英雄と呼ばれ、人民元札に顔写真として登場している。
  文化大革命と云う名の「党内権力闘争」で2,500万人と云われる人民を虐殺し、貴重な歴史遺産を破壊尽くした。
   なぜ?これが英雄なのだろうか?
    不思議なのは、このことが分かっていながら、今でも「お札の顔」として使っていることである・・・

西安から関空に着き、その足で空港隣接のホテルに入った。
 そこは、勢いよく熱い湯も出るし、トイレはウオッシュレットで綺麗にさっぱりする!
  トイレには紙があり、予備も十分ある。
   洗面台の蛇口から出る水も飲める!
    正にここは天国だ。・・・日本人には当たり前であるが、メルヘンの世界だ!
     数時間の差で、この違いは何なんだろうか?

世界第二の経済大国を云うなら、「水ぐらい飲めて」、「トイレに紙ぐらい置いて」、それが出来てから言うべきだ!

但し、敦煌では良いスケッチができたので、これから絵にするのが楽しみである。

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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