『夢のつれづれに』 - 私の願い -

No.15 自分の居場所

投稿日:2014/06/02 投稿者:大西秀憲

多くの人は、毎日同じ時間に出かけて同じ場所で同じ人達と同じように仕事をしている。
少しの変化はあるだろうが、これは仕事を続ける限り、延々と繰り返されることである。
例えば:
  朝起きるのを忘れていた。
  起きたが、仕事に行くのを忘れていた。

このような話は聞いたことがない。
当たり前のことであるが、考えてみれば実に不思議なことだ。
人はなぜ?毎日同じようにするのだろうか?

一つには、働かないと(つまり社会の一員に組み込まれないと)人と同じ社会生活ができないからだ。
  ・・・それは主として経済的な面である。
もう一つの面がある。

それは、安心感(つまり精神面)を得ることである。
働いて、単にお金を得るというだけでは、人は精神的に安定しない。
この精神的安定(安心感)を求めて、人は毎日同じ時間に同じように同じところへ行き、同じ仲間と仕事をするのだ。
不思議さを解く鍵はここにある。
では、なぜ?同じところへ行き、同じ仲間と同じ仕事をすると安心するのだろうか?
それは「自分の居場所」が、そこに存在するからである。
   ・・・ここに人間に於ける最大の課題がある。
人は自分の居場所が絶対に必要である。
決まった自分の居場所で人間は安心し、精神的に安定する。・・・つまり、落ち着く。
例えば、就職活動で就職希望先を訪問した時などは、全く知らない所だから精神的に非常に不安定である。
退職した人が、毎日行くところもなく、することもない状態が続くと、同じように不安定である。
(自分の家があるからといっても、何もせず、同じ場所に留まるのは精神的に苦痛である)
猿の世界でも、野生動物の世界でも、全く同じで、夫々に自分の居場所と序列がある。

ところが人間は不思議なもので、上記のような居場所に満足しなくなる。
仕事とは違う「居場所」を求めるようになるのだ。
それは「くつろぐ」ということだ!
   ・・・くつろぐ、は「場所」であり、また「趣味」であり、人夫々に異なる。
(何処であってもよいし、それは何であってもよいのだ)
狭い・広い、遠い・近い、綺麗・汚い、高い・安い、そんなことに左右されない。
   ・・・面白いことに、人は「一人で居たい願望」が強い。
一人で旅に出る、一人「バー」で飲む、一人「趣味」に没頭する・・・・などなど

人間は孤独を好むのか?群れを好むのか?
人は一人では生きて行けないという。
しかし、昭和40年代にグアムで発見された元日本兵の横井さんは、仲間と別れて20年以上も一人で暮らしていた。
   ・・・仲間と一緒に助け合いながら穴蔵で暮らすより、寂しく一人で穴蔵で暮らす道を選択したのである。
要するに、人は極限の状況に於いても、人の助けを借りず、一人で生きると言う究極の選択をする例である!

どうも、人は人を鬱陶しく感じるようである。
例えば電車。
人は電車に乗った時(いくつか空席がある場合)決して人の横にくっ付いて座らない。
必ず、(既に座っている人から)空けて座る。
要するに、人と接触したくないのである。

機械文明、物質文明が極度に発展する反面、人間の精神面は人類の誕生時から全く成長していない。
(石器で闘っていたのが、ミサイルや戦車で戦っているだけである)

現在もそうだが、今後の人間社会はもっともっと、複雑怪奇な精神的人間模様を織り成す。
従って、人は人に流されないように自己をしっかりと確立していなければならない。

そのために「自分の居場所」が必要なのである。
(居場所は物理的空間だけでなく、精神的空間もある)

仕事だけでなく「趣味を持て」と言われるのも、このためである。

逃げ込むと言う表現は極端だが、精神的ダメージを受ける前に、安らぎ空間に精神的安定を求める事が必要だ。
自分だけの世界、空間、場所、これを用意することをお勧めする!

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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