
No.49 将来の杞憂
私は今年70歳になるので、自分自身の30~40年後の心配や憂いはない。
よって、余計な事だが人の心配をするのである。
ここで、人とは不特定多数の人々の事であり、要するに日本社会である。
・・・私の杞憂は、将来の「日本の人口構成」についてである。
私一人の杞憂で、実際何も変わらないが、それにしても「為政者」達は分かっていて、何も云わない。
「学者」も何も云わないし、もちろん「行政」は絶対に云わない。
従って、日本では誰も何も言わないのである。
なぜ云わないのか?といえば、それは「余りにもおぞましい」からである。
私のもう一つの杞憂は「経済(国力)」に関してである。
丁度春闘の時期なので「ベースアップ」のニュースが連日報道されている。
(間違ってはならないのは、定期昇給とベースアップは別物である)
日本に成果主義、実力主義が定着しなかったので「年功序列」による賃金体系が今後も続くことになる。
従って、ある程度の定期昇給は年功序列の元では当然である。
しかし、ベースアップはいけない!
これ以上、日本の賃金を上げて、将来どうやって諸国と競争するのか?
云うまでもなく「日本の賃金は世界一」である。
・・・これは、平均賃金のことであり、日本は中間層が厚く、金太郎飴のような年収賃金である。
諸国は「二極化」が当然であるのに、わが国だけは「中間層がマジョリティ」である。
この中間層の賃金のベースアップを、更に続けたらどうなるのか?
日本製品は必ず国際競争力を失う。
・・・コストが合わなくなるからである。
総理大臣まで「賃金を上げろ!」と云う。
更に、半分は借金による「無責任予算」を平気で組んで、しかも政党も国会も誰も、何も言わない。
この二つの事は、別物のように見えるが「根が同じ」である。
そのコンセプトは「無責任」の一言。
・・・とにかく借金で目先を誤魔化し、解決は先送り! あとは何とかなるだろう! 先の事は知らん!
・・・賃上げは聞こえが良い! 国際競争力なぞ知ったことか! 今が良ければ、文句あっか!
日本の国はどうあがいても、原材料を輸入して、勤勉と器用さで加工して付加価値を付け、それを売って経済の基本とする。
この構図は未来永劫、絶対に変わらない!
物には競争が付き物である。
競争はコストである。
コストの大部分である人件費(つまり賃金)を、これ以上、上げ続けてどうするのか?
すでに、十分に高い賃金=年収であるし、(中間層=普通の人=最も多い人々は)世界一豊かな生活をしているではないか!
もう一つ、これが最大の問題である。
それは日本の人口構成である。
有史以来、人間が経験したことがない「でたらめな人口構成」にやがて突入する!
何が歴史上初の問題なのか? それは:
① 子供が極端に減る
やがて、1年に生まれる子供の数が80万人になる(2016年、ついに100万人を割って98万人だった)
② 高齢者が増加し、長命化する。
高齢者4,000万人時代がくる。 また、100歳は当たり前になる
③ 人口が減少する
(2050年~2060年に)人口が9,000~9,500万人になる。
このようになると、社会はどうなるか?
何と高齢率40%の「冗談のような国」が出現するのだ! つまり2.5人に一人は高齢者!
例えば、人口9,500万−1,800万 − 4,000万 − 1,500万 = 2,200万 2,200万 − 400万 ≒ 1,800万人
(子供) (老人) (非就労者) (議員・公務員)
1,800万人ほどの生産要員で、9,500万人の社会=国を支える事になる。
これは絶対に不可能である!
もちろん、年金など夢のまた夢である。
であるのに、まだ呑気に賃上げと、半分借金の国家予算に突っ走っているのである!
・・・丁度、増えすぎたネズミが集団で海に向かって突入する姿に似ている
追い討ちをかけるようだが、もう一つ深刻な問題がある。
それは、将来の日本経済を牽引する「産業の米」がないことである。
鉄鋼、重化学工業、繊維、家電、自動車、これらが再来することはない。
日本経済の屋台骨となる基幹産業が、もはや見つからないのである!
・・・皆さんの頭に、何か思い当たる産業があるだろうか?
日本の経済=国は「屋台骨」がなければ、成り立たない!
ではどうすれば良いのか? 憂うだけでは無責任なので熟慮した。
そこで、次の提言をする。
◎国として:
①国の予算を1/2にする。・・・税収の範囲で賄う
②参議院を廃止して1院制にし、その議員を1/5にする。
③公務員・準公務員・外郭団体職員の員数を1/5にする。
④消費税を25%~30%にする。 そして法人税を10%にする。
⑤大学卒業まで教育費を無料にする。
⑥老人税・長生き税を設ける。
◎企業として:
①全て国内生産に切り替える。
②賃金・年収を1/2にする。
③休日を減らし、週休2日制を廃止し、年間労働時間を3,000時間にする。
◎個人として(備えるべきこと):
①生活レベルを昭和30年代に戻す。
②人的格差、経済格差を自然に任せる ・・・当然、2局化する。
③大量消費を止め、物を大切に使う。
そんなバカな!と思うかも知れないが、こうでもしないと日本は持たない!
どうしたら自分は!家族は!生き残れるのか? 真剣に考えて手を打って置かねば、彷徨える群集の一人となる!
そんな時代が、すぐそこに迫っている。
「欲と得と無知と厚顔」だけの、国会議員と称する特殊貴族が「議会ごっこ」でふざけている時間はないのである!
歴史上、「国や政府」が、国民に対して責任を履行したことは、只の一度もないことを胆に銘ずるべきである。
「プレミアム フライデ−」などと、冗談を云ってふざけている時ではない!!