No.62 天災は度々やってくる
寺田寅彦:「天災は忘れた頃にやってくる」
現代人:「天災は度々やってくる」
最近、自然災害が頻繁に起きている。
昔はもっと少なかった。
なぜ?増えたか?
最近の自然災害の特徴は「梅雨時期」に起きることである。
梅雨の末期には「集中豪雨」があり、この雨によって起きる災害である。
その災害は「洪水」と「山津波」である。
山津波が起きている土地は、近くまで山が迫っている郊外か僻地である。
ここには昔は人が住んでいなかった。
正確には「住まなかった所」である。
(都市の一等地には住める場所が無くなり、郊外へ郊外へ、僻地へ僻地へと、広がっていった結果である)
では、なぜ?住まなかったのか? その答えは「そこが危険な所」だからである。
何が危険なのか? それは「山くずれ」や「山津波」が起きる所だからである。
昔の人は、これを知っていて、絶対に住まなかったのだ。
・・・よって、自然災害も当然少なかったのである。
だから、「忘れた頃にやってくる」でよかったのである。
今は、毎年自然災害が起きる。 ・・・これからも起きる。
人々が教訓を忘れるのも災害による被害が出る一因でもある。
例えば:
三陸大津波をすっかり忘れていたが「東北大震災による津波被害」が起きた。
三陸大津波は1896年6月に起きた。
約22,000人の被害死者だった。
これを教訓とすべく、後の世のため「標柱」を建てた。
つまり「ここまで津波が来たのだよ、地震が起きたら『ここより高い所へ』逃げなさい!」との標柱である。
ところが、現代人は100年程前の貴重な警告を、ほとんど忘れていた。
そして、逃げ遅れたため、100年前と同じ数の被害死者を出した。
唯一、1カ所の地区は「明治の警告を忠実に守ったため」被害死者が無かった例もあり、肝に銘ずるべき事実である。
繁栄に浮かれて全く過去を知らないことも又一因である。
例えば:
阪神大水害がある。
これは1938年7月に起きた。
いわゆる「山津波」である。
現代人は、もうそれがどこで起きたかも知らない。
神戸の元町~三ノ宮~灘にかけての市街地が山津波による土砂と大水害による大被害を受けた。
616人の被害死者であった。 ・・・この中の1名は、私の叔母(当時高等女学校の生徒)である。
なぜ?神戸で山津波か?
それは起こるべくして起きたのである。
六甲山系は「花崗岩」である。
花崗岩は表面が風化してそれが砂状になる。・・・それを「真砂土」と云う。
真砂土は水を含むと「泥状になり」勢いよく流れ出る。・・・これが所謂、山津波
これによる自然災害である。
・・・(去年、今年と)広島で起きているのもほぼ同じ。
阪神大水害の後、国は対策工事を大々的に進めた。
よって、その後は山津波は起きていない。
しかし私は安心できないと思っている。
なぜなら、自然は(だまって)エネルギーを蓄えているのだ!!
やがて、耐えきれなくなって、災害が起きる。
従って、次に起きる阪神山津波は「非常に大きな規模」となるだろう!
そんなバカな!と言うかもしれないが、必ず起きる!
(無責任なので)対処方法を提示しておく。
① 自分の代で起きたら「やっぱり来たか!」と諦めることである。
じたばたしても自然の力には「絶対に勝てない」のだから。
② 阪神から逃げることである。
災害の恐れがない土地に移り住むことである。
災害の恐れが無い場所とは?
〇 古墳が近くにある場所
〇 昔から人が住んでいる場所
(人口増加により新しく広がった住宅地は避ける)
起きてからでは遅い!
あるいは、割り切ってきっぱりと諦めるのも一手である!
少し以前、洞爺湖で火山噴火があり、住民に様々な被害が出た。
その時の住民の態度とコメントが素晴らしかった!
曰く: 毎日毎日、自宅で温泉三昧の恩恵だから、(まれに災害が起きても)、それがどうした!のだ!
これ位の「達成感」で生きておれば、自然災害の被害にグジグジ云うことはないだろう・・・