『夢のつれづれに』 - 私の願い -

No.87 絵を描く

投稿日:2022/02/04 投稿者:大西秀憲

今までに書いた絵の数は約200点あるが、実は2021年1月から8月末までは1枚も描いていない。
なぜか全く書きたい意欲が無かったのだ。
秋を迎えるあたり(9月初めごろ)から「新しいテーマ」が浮かんだので、以前のスピードで描いている。
そこで、興味は無いかも知れないが自分流の絵の書き方をご紹介する。

私の絵は二つに分類できる。
一つは「こころの絵」、もう一つは「風景画」である。
こころの絵は、私の頭で考えた絵で、大げさに云えば「私の思想・哲学を見える化」して具体的に表したものである。
風景画はできるだけ忠実に見た風景を描いたものだ。
従って、同じように見える絵でも本質は全く異なるものである、と自分では思っている。
風景画はほとんど考える必要はないが、「こころの絵」は構想(何をどのように描くか?)に時間がかかる。

私が絵を描くのは「和紙」である。
日本の各地には非常に良い和紙が実に多くある。
例えば、越前和紙、美濃和紙、土佐和紙、黒谷和紙、杉原和紙などを使っていたが、最近では越前和紙が多い。
とにかく和紙は夫々に特徴があり、用途に応じて使うのだ。
良い和紙は数百年~千年の耐久性があり、西洋紙の約40年とは「雲泥の差」があり、紙と言っても西洋紙とは別物である。

絵の仕立を掛軸にする場合は和紙単体だが、絵を額に入れる場合は「パネル」に仕立てる。
このパネル製作も自分で行う。
額には「種類とサイズ」があり、種類はS,F,P,Mの4種あるが、私が使うのは「FとP」である。
サイズは号数であり、1,2,3,4,5,・・・10,20・・100,200,500、実に多くのサイズがある。
私は描きたい絵を決めると「号数を決定」する。
パネル製作は号数のサイズに合わせて作らないと、絵が完成した時に額に収まらない・・・収まらないと特注になり高価になる。
ホームセンターで木材を買ってカットして、木工用ボンドで接着して「パネル木枠」を完成させる。

次にパネル木枠に和紙を張り、パネルを完成させる。
和紙を張るのは少々難しく、一寸したコツが必要だ・・・上手く張らないと表面が皺になり使えない。
張る前に裏と表の両面に「滲み防止加工」をする・・・これを「ドーサ引き」という。
(このドーサ引きをやっていないと、トイレットペーパーに絵具を塗るように色が散って全く絵にならない)
張る前には和紙に水を刷く・・・これが重要なポイントであり、その時の天気を見て決めるのだ。
上手く張ると、乾いた時に実に綺麗に「ピーン」としたパネルができる。

次にパネル上に頭の中で完成している絵の構図を落としてゆく。
私の絵は独自の描き方である・・・なぜなら師匠がいない。
色の基礎(ファンデーション)にはアクリル絵具を使うことが多い・・・これは水を付けても滲まないためである
また、基礎部分は非常に速いスピードで描くので、乾きが早いアクリル絵の具は、私にとって非常に重宝である。
ある程度基礎を塗ると、次は「顔彩」を使って細かな部分を描いてゆく・・・用いるのは「京都・吉祥」の絵の具である
絵の内容により「岩絵の具」を使う。
岩絵の具は素晴らしいもので、これを塗ると「まろやかさと光沢」がでる

絵の具は重要だが、何と云っても絵は「筆」である。
筆の種類と本数は、少なからず持っているが、不思議なもので「ここ一番」に使う筆は、いつも同じものである。
人が見ると「何でそんな物を捨てずに使うのか?」と思うような筆だが、これが一番頼りになるから不思議だ。
私は面相筆の小と塗り筆の中・大を主に使う。・・・イタチの毛で作った筆が良い
筆は面白いもので、使っている内に、細く、短く摩耗してゆく・・・それでも馴染んだ筆は捨てがたい。
絵を描くには「絵皿」が必要だ。
最初は知らないので家庭用の瀬戸物皿を使っていた。
やがて絵専用の皿があることを知って、これを使ったら素晴らしい道具であると思い知らされた!
何が素晴らしいか? ・・・それは皿を洗う際に分かる。
家庭用の皿の絵の具は中々落ちないが、専用皿は簡単に「ツルッ」と綺麗に落ちるのだ。
(1枚の絵が終わると、次に備えて「使用した皿を洗う」のである)
やはりプロの技は凄い!と改めて感心する。

全体を描き終えると、何度も何度も細かな点を補い修正するが、「これで良し!」と云う瞬間が必ず来る。
これでその絵は完成! そして「日付とサイン」を入れる。
後は絵を姫路市内の「ナカムラ画材店」に持ち込み、額装を依頼する。
額装は全てナカムラ画材店の奥様にお任せで、その素晴らしいセンスに頼っている。
このようにして私は絵を描いている。

私の目標は1.000枚の絵なので、約800枚の絵をこれから描くつもりである。

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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