No.9 なぜ国民に教えないのか?
日本は世界でもトップの良い国であることに、当の日本人は気が付いていない。
日本以外の国はもっともっと素晴らしく、良い国だと思っている日本人は多い。
外から日本を見ると、本当に日本の良さが分かるが、誰もそれを声を大にして言わない。
国は国民に対して、その素晴らしさを積極的に教えるべきである。
特に若い人に対しては尚更である。
余りにも、世界の現実を知らない人が多すぎると思う。
これでは、自分の国に誇りを持てと言っても無理である。
例えば日本人はアメリカに憧れを持ち、反面コンプレックスを持っている。
しかし、私はアメリカは、日本よりずっと後進国だと思う。
今、アメリカでは「医療保険」を巡って、大騒動である。
恐らくだが、日本人の多くはアメリカに「健康保険証」がないことを知らない。
なぜなら、日本人は誰でも健康保険証を持っているし、それが当たり前だからである。
日本は「国民皆保険」を導入して既に「半世紀以上」になる。
兵庫県でも、北海道でも、鹿児島でも、保険証さえ持っていれば格安で治療が受けられる。
ところが、アメリカでは今頃になって「国民皆保険」の導入を議論しているのだ。
アメリカでは保険会社の保険料を払っていなければ、病院での診療は絶対に受けられない。
貧困層の人達は医者に診てもらえないし、治療は受けられない。
これで多くの人が命を落とす。
日本では、地方の診療所であれ、東大病院であれ、同じ費用で治療が受けられる。
こんな凄い仕組みを日本人は半世紀以上前に自前で作ったのである。
この事実を、日本の若者に、政府や政治家は、声を大にして教えるべきである。
一時期の日本では、救急車をタクシー代わりに使っているとの批判が賑やかな時があった。
日本では救急車は無料である。
ところが、アメリカで救急車を呼ぶと有料である。
従って、そう簡単に呼べない。
なぜなら、多民族国家のアメリカでは貧困層が多く、これらの人が使用すると収拾が付かない。
日本では性善説と、誠実で正直な国民性を基本に、無料なのである。
これなども、世界に向けて日本はアピールしてもよい。
そして国は国民にもっと説明・宣伝してよい話である。
アメリカンドリームとは、極極一部の人の成功談を大々的に打ち上げるアドバルーンである。
ほとんどのアメリカ人にとって夢のまた夢の話である。
アメリカでは「富の偏り」が酷く、人口の5%の人が富み全体の90%を握っているという。
5%と言えば約1,500万人であるから、つまり1,500万人が富のほとんどを所有しているのだ。
あとの2億8,500万の人は、実につつましい生活をしているか、貧困生活である。
日本の実態と比べると雲泥の差である。
日本では格差が広がっているというが、この程度の格差は実にかわいいものである。
・・・日本人の大学進学率を見れば分かるだろう。余裕が無ければ大学には行けない!
ごく平均的な層の年収(賃金)は日本の方がはるかに高い。
ところが、アメリカの極一部の人の年収は冗談だと思う位に「べらぼうに高い」
それを見て、アメリカ人の給与は日本より高いと思っている。
例えば、日本人の社長は総じて謙虚で、年収も常識的な額である。
しかし、アメリカ人の経営者の年収を見ると驚く外ない!
アメリカには文盲が沢山居ることを日本人は知らない。・・・教えないからである。
英語が読めない、話せない、書けないのである。
一方、日本人で、日本語ができない人はいない。
誰でも、読み書きはできる。
国は、もっとこの事実を国民に知らせるべきである。
日本は小さな国であると、学校で教える。
事実は違う、日本は大きな国である。
先進国の中で、日本より人口が多い国は、アメリカとロシアだけである。
そして領土だけでなく、領海を含めた面積では「日本は世界で6番目」に大きな国である。
この事実を学校では教えない。
とにかく、日本は小さくて、過去に悪いことばかりした国であると教える。
私は日本は大きな大きな国で、立派な国であると思っている。
海外に行けば日本の価値が分かる。
幸いなるかな日本は周囲の海で守られてきた歴史がある。
アメリカは人工的に作った実験国家であり、自由競争の美名の下に差別が甚だ大である。
これに比べると日本は、天下泰平で世界のメルヘンの国である。
しかし、行き過ぎたメルヘンは不幸である。
なぜなら、日本の常識は「世界の非常識」だからである。
世界の中で暮らすには、世界の常識を知り、それに合わす必要がある。
さもなければ、日本がいくら立派で正しくても、それは「独善となり」場合には悪となる。