『夢のつれづれに』 - 私の願い -

No.37 どんぐりの背比べで文化は育たない

投稿日:2016/04/01 投稿者:大西秀憲

「世界文化遺産」が世界中にある。
いずれも、自然や神が造ったものではなく「人間が造った」ものである。
人類の叡智の象徴として後世に残すため、保護して大切にしようと云う主旨であろう。
世界文化遺産だから世界規模の重要な遺産であるが、政治的な力関係が当然働くものと想像する。
「中には??」と思うものがあるのはこのためである。
   ・・・(何も無いのは寂しいから)我が国も「何か登録してくれイ!」と云う政治的な声は無視できない。

然しながら、「世界文化遺産」は全体を見ると、人類の文化として「素晴らしい物ばかり」である。
「よくこれだけの物を造ったな!」と思う
   古代・中世の建物、宗教の建物、美術館、絵画、音楽・・等々、想像を超えた金が掛っている。
今、我々はそれらを惜しげもなく目の前で見ることができる。
  創造を命令した人物を尊敬し、賞賛の拍手を送りたい!

命令した人物は「絶対権力者」か「超大富豪」である。
  それらの人物が居なければ、絶対に誇れる物は出来なったし、当然、今、我々が享受できない。
    どの世界でも、どの時代でも、後世に残し誇れる文化は「一握りの人間」だけが創れるのである。

中世の音楽家は誰が庇護し育てたか?  ・・・クラシック音楽が最も良い例である。
  教会建物と絵画は誰が命令して創ったか? ・・・勤労奉仕で素晴らしい芸術品はできない。
    日本の名城は「募金」で出来たのではない!
       日本画の名画は民衆の寄付金で描かれたのではない!
          全ての芸術品は「一握りの人物」によって実現したものである。
            これは「洋の東西」を問わない、歴史の事実である。
                そして、これからも同じである。

つまり、「ちょぼちょぼの者ばかり」では美術・芸術・文化は育たないのである。
  日本の歴史では古代から中世、近代まで素晴らしい芸術文化を生み残してきた。
    それは、偉大な権力者がいたからである。 ・・・決して一般民衆が創ったのではない。
       一般大衆が残したものは生活関連であり、それは「民族(学)遺産」である。
現在の日本人を総括する文化は何か?
  ・・・残念ながら、何もないのではないか?
       「これが21世紀の文化だ!」と後世の子孫に誇れるものが残せるか?

今のままでは、後世の人々から嘲笑されるであろう。
  一体、21世紀の人間達は何をやっていたのだ!と。
「平和、平和、平和」、「平等、平等、平等」、「差別なし!」、「格差なし!」の空虚な言葉あそび
  この風潮と空気の中で、何も疑わずに保育器のような中「純粋培養された」現代人!
    この中からは偉大な芸術・文化・建築・音楽は生まれない
やはり絶対権力者と「大富豪」が必要なのである!
  先祖が命を賭けた努力をして築いた富、これを過激な相続税を持って、「3代で0」にする「愚」
    こんな事をやる限り「日本に偉大な文化」は育たない!

従って、後世の人々に笑われるであろう。
その状況を想像してみた。

◎今から500年後の学校、「日本史」の授業を想像 ・・・2516年4月のある日

先生 :(歴史年表を示しながら)
    7~8世紀以降の日本の歴史文化は、実に華麗なオンパレードである。
     ところが、21世紀の欄はブランクになっている、何も書かれていないだろ
       なぜか?
         それは日本人が何もしなかったから「誇るべき遺産」が全く無かったからだ。
           (特に1950年頃から2100年の間が酷い)
              だから21世紀は日本人が恥ずべき時代であったのだ

 生徒 : なぜ?その時代の日本人は、文化遺産を何も残さなかったのですか?

先生 : 文化遺産と呼べる物に金を掛けなかったからだ。

 生徒 : なぜ?金を掛けなかったのですか?

先生 : だれも、造るための金を出さなかったからだ。

 生徒 : お金を出す大金持ち、絶対権力者は居なかったのですか?

先生 : それは、その時代の国民が、絶対権力者や大富裕層を「思想的に排除」したからだ!

 生徒 : つまり、絶対権力者やお金持ちを「忌み嫌った」のですか?

先生 : その通りだ!
       「人間全て平等」という「幻想が蔓延」して、その空気が国を覆っていたのだ。
          その結果、文化遺産を全く造らなかったのである。
             文化遺産を造るには「絶対権力」と「大富裕財力」が必要なのだ!
       皆んなチョボチョボの「どんぐりの背比べ」では絶対に歴史に残る立派な物は作れない

 生徒 : よく解りました!
         その時代の日本人は「平等遊びに浮かれて」歴史の1ページを埋める努力を放棄したのですね!
      だって、実際に「平等」などは、この世に存在しない事は、赤子でも知っていることですヨ
        「差別なし!」と叫べば、差別が無くなると、本当に思っていたとは! 驚きの幼稚ですね!
            人間、生まれた瞬間から差別があるのは、保育園児でも知っている事ですヨ

先生 : その通り!
        国民は、後世の国民のため「歴史に責任」を持たねばならない!
           21世紀の日本人は、一体何をやっていたのか?と私は云いたい。
              強いて名づければ、21世紀は「言葉あそびの時代」とでも言うかな

 生徒 : 永い日本の歴史上「21世紀は唯一、一番無意味な時代だった」ことがよく解りました。
         私達も後世の日本人のために、26世紀が、そうならないよう
           「絶対権力者に従い」、「大富裕者」を崇め、誇るべき文化を創るよう勤めます!

先生 : 君は理解力が素晴らしいね!

このようにならない事を祈る。
皆さんはどう思いますか?

モノづくりの原点…それは「人と社会を結ぶ応用技術」

応用技術で暮らしを支えるモノづくりを。
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